コーヒーの豆知識

スペシャルティコーヒーの条件や基準とは?わかりやすく簡単に説明

こんにちはmkです。

今回の記事では、スペシャルティコーヒーについてお話をしていきたいと思います。

様々なコーヒーを飲むようになり、スペシャルティコーヒーと聞く機会が増えてきましたがスペシャルティコーヒーとは何か?

この記事を読めば以下のことがわかります。

1、スペシャルティコーヒーとはなにか?

2、スペシャルティコーヒーの特徴や定義(基準・条件)とは

3、サスビナリティやトレーサビリティとは

実はスペシャルティコーヒーは各国で基準を設けており、アメリカではスペシャルティでも日本でスペシャルティではないことがあります。

なんだかややこしいですね。世界的な基準があるんだと思っていましたが違うんですね!

ぜひ、この記事を最後まで読んで疑問を解決して見てくださいね。

スペシャリティコーヒーとは何か?

消費者(コーヒーを飲む人)の手に持つカップの中のコーヒーの液体の風味が素晴らしい美味しさであり、消費者が美味しいと評価して満足するコーヒーであること。

風味の素晴らしいコーヒーの美味しさとは、際立つ印象的な風味特性があり、爽やかな明るい酸味特性があり、持続するコーヒー感が甘さの感覚で消えていくこと。

カップの中の風味が素晴らしい美味しさであるためには、コーヒーの豆(種子)からカップまでの総ての段階において一貫した体制・工程・品質管理が徹底していることが必須である。(From seed to cup

具体的には、生産国においての栽培管理、収穫、生産処理、選別そして品質管理が適正になされ、欠点豆の混入が極めて少ない生豆であること。
そして、適切な輸送と保管により、劣化のない状態で焙煎されて、欠点豆の混入が見られない焙煎豆であること。
さらに、適切な抽出がなされ、カップに生産地の特徴的な素晴らしい風味特性が表現されることが求められる。

日本スペシャルティコーヒー協会は、生産国から消費国にいたるコーヒー産業全体の永続的発展に寄与するものとし、スペシャルティコーヒーの要件として、サステナビリティとトレイサビリティの観念は重要なものと考える。

引用:日本スペシャルティコーヒー協会 https://scaj.org/about/specialty-coffee

と書かれています。

要は、「生産過程がクリアで品質管理も徹底している美味しいコーヒー」という感じ。

日本では何点以上という明確な定義がありませんが、アメリカではカップ評価80点以上のものをスペシャリティコーヒーと呼びます。

スペシャルティコーヒーの条件について簡単に説明

日本におけるスペシャルティコーヒーは、味はもちろんのことトレーサビリティ(追跡可能)やサスビナリティ(持続可能)が重要視されています。

これはアメリカとヨーロッパのスペシャルティコーヒーが2017年に合併してできたスペシャルティコーヒー協会(SCA)の考えが根底にあります。

SCA の目的は、コーヒーをバリュー チェーン全体にとってより持続可能で公平で繁栄する活動にするための活動をサポートする世界的なコーヒー コミュニティを育成することです。

引用:https://sca.coffee/about

つまりは、コーヒーを今後も飲み続けられるようにサポートしていく団体ということですね。

実はコーヒー生産国は貧しい途上国ばかりです。安い賃金で働いている人たちが一生懸命働いて今のコーヒーは届けられています。

そこで、ここからはもう少し具体的にスペシャルティコーヒーの要素を書いて行きますね。

スペシャルティコーヒー(SCAJ)での評価基準

日本スペシャルティコーヒー協会(SCAJ)の評価基準として以下のことが掲げられております。

カップ評価(味わい)について

1. カップ・クォリティのきれいさ

カップの綺麗さとは「汚れ」や「風味の欠点」がないこと。

そして、コーヒー豆の栽培地の特性を明確にすることも重要です。

そのためには「欠点豆の混入」は避けるのはもちろん、「収穫方法」「工程方法」「生産国」など生産地の特性を十分にわかりやすく表現する必要があります。

2. 甘さ

焙煎豆に含まれるコーヒーの糖度だけでなく、甘さの印象が大事とされています。

甘くても甘さを阻害する要因である「苦味、刺激的な酸味、強い汚れ、渋み」があると甘さを感じにくくなり評価に影響がでる。

3. 酸味の特徴評価

酸度の強さでなく、酸の質を重視する。

いい酸味はコーヒーに生き生きとした印象を与え、しっかりと味を支えてくれる。

反対に、絶対にあってはならないとされているのが「刺激的な酸味、不快な印象度を与える酸味、爽やかさ・キレの無い酸味、劣化した嫌な酸味」と書かれています。

4. 口に含んだ質感

コーヒーにより伝わる触覚。コーヒーの印象というかコクというか。

5. 風味特性・風味のプロフィール

もっとも重視している項目。

味覚と嗅覚の組み合わせで、栽培→抽出まで完璧に行われれば栽培地の特性が正しく出てくるもの。

コーヒーが特に印象もないのか、もしくは栽培地ならではの特性が純粋にでているかどうかが判断基準の対象になります。

6. 後味の印象度

飲んだ後に残る印象が「甘さ」で消えて行くか「刺激的で嫌な感覚」で消えて行くのかで判定をする

7. バランス

バランスがとれているコーヒーか?どれかが強かったり劣っていたりはしないか?

サスビナリティ

サスビナリティつまり「持続可能性」を意味する言葉になります。

今のコーヒー業界では問題視されていることが大きく2つあります。

1、貧困層が多い

コーヒーが多く取れるコーヒーベルトにある国では途上国で貧困層が多いとされています。

そこらで気軽に飲まれているコーヒーも、安い賃金で働いている人がいるからこそ成立するビジネスということを覚えておかなくてはなりません。

大量生産で味はどうでもいい時代ではないので、これから安定した美味しいコーヒーを作るためには生産者の確保が第一条件です。

そのためには「生産者は無理なくできてその上で公平な賃金を受け取れる。消費者の元には安定した高品質なコーヒーを届ける」といったwin-winな関係が求められます。

これからは搾取するのではなく、お互いにとっていい条件になるようにすり合わせしなくてはいけません。

2、コーヒー2050年問題

2050年までに、高品質コーヒーとして名高いアラビカ種が50%ほどなくなるのではないかと指摘されています。

その原因は、気候変動。

世界各地で起きているゲリラ豪雨や干ばつ、寒暖差の減少といった地球温暖化を原因とする異常気象にあります。

コーヒー豆の栽培に求められるのは「昼夜の寒暖差、適切な雨量」が必要条件と言われています。

世界各地で少しずつ温暖化の現象が出てきて、2050年問題として注目されています。

サスビナリティは生産者の暮らしを支えるだけでなく、これから直面する問題に打ち勝つために必要な考えといえます。

トレイサビリティ

トレーサビリティとはその製品が「いつ、どこで、だれによって作られたのか」を明らかにするもので追跡可能という意味を持ちます。

スペシャルティコーヒーと呼ばれるためにはこの透明性が実に大事です。

「いつ、どこで、だれによって作られたか」が分かることによって、透明性と安全性が増すことでコーヒーの品質に信頼度も生まれてきます。

そして生産者も名前が知れ渡り多く購入していただけるチャンスとなります。

誰かわからない人が「いつ、どこで、どんな方法で調理したか全て秘密です」と言ってきたら誰も買いたくはないでしょう。

どんなに美味しくても、何が入っているか教えられないなんて怖くて買えませんよね。

追跡可能で透明性があるということは消費者にとっても重要であることは間違いないし、生産者も見られているという意識もありより良く作ろうとしてくれるに違いありません。

スペシャルティコーヒーとは最高の豆のこと

ここまでお読みいただきありがとうございました。

簡単におさらいします。

日本におけるスペシャルティコーヒーの基準は以下の通りです。

1、味も品質も良い

2、サスビナリティ(持続可能な環境にある)

3、トレーサビリティ(追跡可能)

味や品質だけでなく、コーヒーができるまでの生産工程・品質管理・出荷までの全てをクリアした本当の意味での高品質コーヒーといえます。

そして、スペシャルティコーヒーは各国で審査しているので世界的定義はありません。

なんにしてもコーヒーは嗜好品で人それぞれの好みがあります。スペシャルティコーヒーだから上手いと感じるとは限りません。

一つ下のグレードであるプレミアムコーヒーでも、美味しいのはたくさんありますので色々試してみるのがいいと思いますよ!